本能
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本能(ほんのう)とは、動物(人間を含む)が生まれつき持っている、ある行動へと駆り立てる性質のことを指す。
日常的には母性本能、闘争本能などのように性質を現す語を伴い、○○本能という形式で使うことも多い。 ただし、それらがどのような形で、どこに存在するものであるかは定かではない。むしろ、現在では本能が存在するかのように論ずる場面は、これに関わる専門分野(動物行動学や心理学など)以外のものである場合が多数を占める。 たとえば「戦争がなくならないのは人間に闘争本能があるためだ」と発言するなど、ある事象に対する説明を放棄し、言い訳的に理由づけを行う場合などが代表的である。
動物行動学、心理学などの分野では、本能が説明概念として使われた時代が過去にあったが、現在では実際の行動に対して本能行動という表現を適用するだけである。
本能行動(ほんのうこうどう)とは、動物の高度で合目的的行動のうち、学習や思考によらず、先天的に獲得されているものをさす。
目次
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行動を支えるしくみ
たとえばクモの網を見れば、どうやったらこんなに正確なものを作れるのかと不思議になる。人間が作るとしても、ずいぶん練習が必要だろう。しかし、クモは毎日これを作る。しかし、練習によるものではない。その証拠に、クモの場合、幼虫は網を張らず、成虫が網を張るものがあったり、逆に成虫になると網を張らなくなるものなどがある。
クモの網を張る行動をよく見ると、実際には個々の動作は比較的単純で、体の各部分の長さに合わせて糸を引くために、正確な形になっていることがわかる。あとは基本動作の繰り返しである場合が多い。
昆虫の様々な興味深い行動を紹介して世に知らしめたのは、ジャン・アンリ・ファーブルの功績である。彼の大好きな昆虫の一つに、フンコロガシがある。彼はフンコロガシが子供のための糞玉を作るのを観察し、制作途中の糞玉を土から取り出し、再び雌親がそれを埋め直し、大事に修復するのを、すばらしい母性本能であると褒め称えたが、同時に、卵を産み込んで、巣から立ち去ろうとする雌親の前で巣穴を掘り出し、糞玉を外に出しても、雌親はそれを無視することを伝えている。卵の入った糞玉こそが大事なはずなのに、産卵を終えた雌には、すでに糞玉を守る理由は存在していない。つまり、雌は自分の行動が卵を守るためであるというような、目的意識などはない。これは本能行動の一つの重要な面でもある。
トゲウオにおいては、雄が他の雄に対して縄張り防衛の行動を取るが、その際、相手の魚の腹部が赤いとこの行動が起きることがわかっている。このように、一連の本能行動の始まるとき、その最初は、ごく簡単な刺激であることがあり、そのような刺激を信号刺激、あるいは鍵刺激という。
分類群との関連
本能行動は、まず、ある程度以上複雑な行動の見られる動物群に対して適用される言葉である。従って、単純な反応しかしない下等な動物や、不活発な動物群では見られることが少ない。また、脊椎動物では学習や知能に基づく行動が次第に重要になるので、その間の部分に本能行動の見られる動物群がある。無脊椎動物では節足動物、それに軟体動物の一部、脊椎動物では魚類、両生類、は虫類、鳥類とほ乳類の一部で様々な興味深い、本能行動に基づく習性が見られる。
ヒトの場合
人間の合目的的行動の多くは学習または思考によるもので、本能であると言えるものは非常に少ない。 また、乳児が乳房に吸い付く等の動作は高度な行動ではないため反射として区別する。
やや特殊ながら、ほとんど全人類に共通の挨拶を紹介しておく。まず目を見つめ、眉を少し上げ、数秒そのままで、それから頷くというものである。これは、大人が赤ん坊を見て、あやそうとするときに現れるものである。
本能行動の例
- ビーバーの巣作り
- カッコウの託卵
- ミツバチのダンス
- サケの遡上
- クモの巣作り。
カテゴリ: 動物行動学 | 心 | 心理学
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